2018年1月19日金曜日

【ネタバレ(殆ど)無し】『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』を観た

 『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』を観て来ました。

 めちゃくちゃ良かったです。漫画の予習は3巻までしか間に合わなかったのですけれど、読んで行った甲斐がありました(予習なしでも全く問題なく楽しめるとは思います)。

 以下、物語の核となるような重要な部分には触れないようにしていますが、若干のネタバレを含む箇所もありますので、未見で一切ネタバレを見たくないという方は(そんな人はこんな記事開かないでしょうけれど)ご注意下さい。

 まず序盤のグレートマジンガーと機械獣の戦闘ですよね。テキサスにあるプラントという立地にまずわくわくしますし、戦闘もこれでもかも必殺技を連発します。大迫力でカッコいいです。パイロットである剣鉄也と言えば、私の中では野田圭一さんの渋い声なのですが、本作で関俊彦さんの演じる鉄也さんも洒落た感じが出てカッコいいですね。これくらい声質が変わっていると違和感を感じてもおかしくないと思うのですが(むしろこれくらい変わっているから頭の切り替えがすっとできるというのはあるかも知れませんけれど)、めちゃくちゃしっくり来てびっくりしました。ちなみに甲児くんの声については、やはり石丸博也さんの声に慣れているのもあって、最初は若干違和感あったのですが、劇場で何度も予告を見るうちに慣れましたし、必殺技の叫び方なんかは石丸さんの発声法を真似されたと言われただけあって甲児くんそのものであったように思います(声優さんのプレッシャーになるのであまり比較などはしたくないのですが、ついやってしまいました……)。

 劇中で10年も時間が経過しているとは思わなかったので(3年くらいかなーと思っていた)、最初シローくんが出て来たときは「誰だろうこのお兄ちゃん」と思いました。大人になった兜甲児くんや弓さやかさんは、落ち着きが出てカッコよくなった反面、まだ互いの関係や今後についてどこか踏み出せない部分があるなど、二人の恋仲についても注目でした。

 お話の内容は意外と政治的な話が多くてビビりました。これでもかと現実の話題に即したようなテーマが散りばめられています。最初はそこまで政治的な話を入れなくてもと思ったのですが、最後まで観て少し考えて納得しました(詳しくは別エントリに書きます)。

 とは言え、一番の魅力はやはり大迫力のロボット戦だと思います。最初のグレートマジンガーの活躍については既述しましたが、終盤のマジンガーZの戦闘もめちゃくちゃカッコいいです。人類側のロボットがカッコいいのはもちろんですが、敵の機械獣の動きも生き生きとしていていいんですよね。ボスボロットのコミカルな動きも良かったです。

 今作のキーともなる新キャラクター・リサはもちろん、往年の登場人物もいい味を出していました。10年の時間が経過しているということで、みんなそれぞれに新しい人生を歩んでいたのが感慨深かったです。甲児くんは祖父と同じ科学者に、その弟シローくんは統合軍三番隊の小隊長に、さやかさんは新光子力研究所の所長に、さやかのお父さんは総理大臣に、ボスはおんぼろラーメン屋の店長に、鉄也さんはアメリカでも活躍する軍人に。ゲーム(スパロボ)と漫画で少し触れただけの私でさえ、わくわくとしみじみの入り混じった何とも言えない懐かしさで胸が満たされたのですから、最初のTVアニメ放映当時リアルタイムで観ていた人はどんなだっただろうと思います。中学校にマジンガーZファンの先生がいらっしゃったのですが、感想を聞いてみたいですね(連絡先を知らないので無理ですが)。TVアニメで甲児くんとさやかさんを演じた石丸博也さんと松島みのりさんが違う役ではありますが出演されていたのも良かったです。

 一方で、新キャラだからか、飛び抜けて明るい性格だからか(これは他のみんなが大人になったから相対的にそう見えるというのもあると思います)、リサは少し浮いていたように思います。ただ、それが悪いというわけではなく、今括弧書きしたように、これは大人になった他の登場人物との対比によるものであって、換言すればリサは子供である(まだ幼さを残している)ことに意味があるのだとも言えます。思考や立場が大人になるということは、それだけ今までのように自由に振る舞えなくなるということでもありますから。そういった甲児やさやかの素直になれない部分を代弁し、橋渡しできる存在なんですよね。

 敵であるDr.ヘル、あしゅら男爵、ブロッケン伯爵の3人も、旧作のオマージュやパロディを混ぜながら魅力的に描かれていました。特にDr.ヘルの主張には考えさせられた(「考えさせられる」というのも便利な言葉ではありますが)人も多かったのではないかと思います。

 一つ「こうして欲しかったな~」という希望を挙げるとするなら、マジンガーZの扱いでしょうか。個人的には博物館に展示されているマジンガーに甲児が乗り込んで発進する姿が見たかったので、そうはならなかったのが残念でした(【2018-01-25追記】本日2回目を観て気付いたのですが、私の勘違いがありました。ネタバレになるので詳しくは言えないものの、さやかさんの言う「あれ」の指示対象を取り違えていました。という訳でこの件に関しては何も問題ありませんでした)。繰り返しになりますが(3回目!)、とにかくロボット戦がカッコいいのでみんな観て下さい。壮快かつ爽快です。あの感じで『マジンガー無双』でも出ないかなーと思ったりしました。

 ロボット、キャラ、設定、物語、全ての面において秀逸で(未見の方もいるでしょうからあまりハードルを上げると良くないですが)、非常に贅沢な時間を過ごすことができました。渡辺俊幸さんの劇伴も雰囲気が出ていて良かったですし、水木一郎さん/吉川晃司さんのOP曲/ED曲も作品を盛り上げてくれました。キャスト、歌手、制作スタッフの皆さん本当に素晴らしい作品をありがとうございます。


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(【2018-01-25 追記】すみません、本文で触れたのとは違う部分で私の誤解がありそうでしたので、一旦非公開にしました。そのうちまた公開します。)
再び紡がれる英雄の物語――『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』感想
https://nanamine-galley.blogspot.jp/2018/01/A-Story-of-Hero-That-Spinning-Again.html